Quantum Computer
中二でもわかる「量子コンピュータ」!
中学生の娘と話しながら考える、世の中知ってそうで知らないこと
今までの暗号技術が破られちゃう!?なんだか分からないけどスゴいと話題の量子コンピュータってなんだろう。量子コンピュータを(触れるくらい)近くで見て体感してきたので、その説明分かり易くしてみます!
まずはこれまでのコンピュータの歴史と、今のパソコンとかとの違いを見てます。そして従来のコンピュータ技術と量子コンピュータを比較して、どんな所がすごいのか、どんな事が出来るようになるのかを考えます。そこからそもそも量子重ね合わせや量子もつれという、摩訶不思議な現象を考えてみたいと思います。ニュートン、アインシュタイン後の量子力学から、どのように量子コンピュータが着想、実用化され、どんな事ができるようになるのか、まで行けたらいいなあ。
コンピュータの歴史
1900年から2023年までのコンピュータの進化のまとめ
1900年頃のComputer Room
これは1900年頃のNASAのコンピュータ・ルームの写真とされています。普通コンピュータが整然と並んだ部屋と想像するかもしれませんが、この時は計算する女性がいる部屋でした。つまりコンピューターは、当時は機械ではなく、計算をする人/計算手、という職業の名前でした。今となってはこれは人間がやる事では無くなりましたが、今後〇〇terやtor (OperatorとかTranslator)は人間の仕事では無くなるのでしょうね。。
1943年、世界初と言われる電子式コンピュータ、チューリングマシン
第二次世界大戦中に、ナチスの秘密暗号エニグマを解くために、アラン・チューリングにより開発されたのが電子式コンピュータの始まりとされる。これはチューリング・マシンと呼ばれ、今のコンピュータに繋がる基礎が作られました。
1981年、IBM初のパーソナルコンピュータ
世界初のパソコンは、諸説あるが1975年のAltair 8800と言われている。そこから6年後、IBMがビルゲイツのMS-DOSとインテルのプロセッサーを組み合わせたIBM PCを$1,500(現在の価値で130万円程)で発売した。その後表計算や画像処理のソフトウェアを搭載したパソコンは爆発的に売れ、機能もコストも飛躍的に向上していく。
1970年代から2020年代までに発達したスーパーコンピュータ
1970年台にクレイにより超高速のスーパーコンピュータの開発が始まった。 当時100万FLOPS(1秒間で処理される浮動小数点演算の回数)であったが、2022年では日本の理研と富士通が開発した富嶽は100京FLOPSと1010倍程に高速になっている。主に気象予報や地質学的な分析、金融取引の計算などに使用される。
2007年、初代iPhoneの発表
2007年1月9日、Appleスティーブ・ジョブスは、iPodに、タッチできる画面と電話とインターネット、そしてUnixが乗った最初のスマートフォンを$599で発売した。その初号機は今ではオークションで2,600万円の値段がつく。ちなみにiPhone14は2兆FLOPS程度とされ、2000年代のスパコンと同程度の処理速度を持っている。
2019年、Googleによる量子超越
2023年、127量子ビット・コンピュータの登場
2019年に初めての実用型量子コンピュータが開発され、Googleは従来のスーパーコンピュータが1万年かかる計算を、52量子ビット・コンピュータで200秒で解いた。
2013年には127量子ビットのIBM Qがカワサキに設置される。
これまでのコンピュータと量子コンピュータの違い
パソコン、スパコンなどと比較する事で量子コンピュータを見てみよう。
従来型コンピュータ | 量子コンピュータ | |
ロジック | 半導体、シリコンによる電子の導電1/非導電0により計算 | 超伝導、絶対零度下での量子的振る舞い(量子重ね合わせ、量子もつれ等)を活用。「量子ビット」では「0でもあり1でもある」という不思議な状態を作り出す。 |
構成要素 | CPU, Memory, Hard Disc 演算処理、制御装置、保存機能 | 絶対零度を作り出す冷却装置とQPU 演算処理のみを行う |
言語 | マシン言語(コンパイラにより(CやJava等の高級言語からのプログラムを処理) | 演算機能しかない為、従来のプログラミング(制御装置)は使用できない。Pythonなどで機能を呼び出し、演算結果を受け、それの計測を行う。 |
使用用途 | – 気象予報、地理学解析 – 金融計算、精度予測 – ビジネス用途、表計算、ドキュメント作成 – 機械学習、大規模演算など | 高速化されることが数学的に保証されている数学的問題は、わずかに100個程度 – 量子化学計算(複雑な分子の電子状態を計算し、構造、反応過程、物性を予測する) – 量子機械学習/AI(古典機械学習の高速化、量子データの機械学習) – 金融(ポートフォリオ最適化、デリバティブ価格決定) |
なんで量子コンピュータは速いの?
従来のコンピュータでは、4ビット(0か1の2進数四桁で表せる数)では0000から1111までの16の数値の一つだけだが、4量子ビットでは、0か1のどちらも同時に発生するので、同時に16の数値を扱える。つまりnビットあれば、2n乗通りの答えを一回で出せるので、問題によっては従来型よりはるかに高速に結果を出す事ができる。
そもそも確率的に存在する、って?
シュレーディンガーの猫を考えてみる